『福井県の華』より
マジック界の頂点に立った「奇術博士」
松旭斎 天一
1853年(嘉永6)2月?日~1912年(明治45)6月14日
奇術師(マジシャン)。福井城下(福井市)生まれ。父は福井藩家老の家臣。一座を率いて、国内や中国、アメリカやヨーロッパで興行を成功させました。また、天勝(てんかつ)や天洋(てんよう、敦賀出身)など多くの弟子を育成して、日本奇術界の基礎を築きました。
・一座が得意とした数多くの奇術のなかでも、水芸やサムタイなどは時代を通じて演じられました。
・「サムタイ」は欧米巡業中に話題となり、「Ten-Ichi Thumb Tie」として海外の奇術書でも紹介されました。
- 1898年(明治31)の興行絵ビラ(ポスター)
- 1903年ニューヨークの天一一座(久保正夫氏寄託資料)
- 水芸を披露する天一一座(久保正夫氏寄託資料)
- 天一一座(前列右が天一)(久保正夫氏寄託資料)
- サムタイを披露する天一(久保正夫氏寄託資料)
しらべる本
- 青園謙三郎『松旭斎天一の生涯―奇術師一代―』(品川書店、1976年)
- 藤山新太郎『天一一代―明治のスーパーマジシャン―』(NTT出版、2012年)
- 河合勝・長野栄俊・森下洋平『近代日本奇術文化史』(東京堂出版、2020年)
- 『ふくいの先人たち 近現代』これき人物シリーズ5(福井県立こども歴史文化館、2014年)
- 『ふくいの先人たち ミニ事典』これき人物シリーズ6(福井県立こども歴史文化館、2015年)