福井市立郷土歴史博物館所蔵
豊かな知識と進んだ考えで将来を見通した思想家
橋本 左内
1834年(天保5)3月11日~1859年(安政6)10月7日
福井藩士、医者、政治思想家。福井城下(福井市)生まれ。満14歳のとき、立派な武士になるための心がまえを「啓発録(けいはつろく)」に著しました。儒学を学んだのち、大坂や江戸で蘭学を学び、また、西郷隆盛(さいごうたかもり)など諸国諸藩の有志と交わりました。福井に戻ってからは藩の学校、明道館の教育改革にあたりました。その後、藩主松平春嶽(まつだいらしゅんがく)を助けて積極的な開国論をとなえましたが、将軍の跡継問題をめぐり、安政の大獄で処刑されました。
・蘭学はオランダ語を通じて西洋の知識や技術を学ぶ学問です。
・儒学は古代中国で生まれた道徳や政治に関する学問です。
・開国論は広く諸外国と交流し、通商もおこなうべきとする考えです。
・安政の大獄は、1858年(安政5)から翌年にかけて、幕府の大老井伊直弼が自らの政治に批判的な者に対しておこなった弾圧です。
- 左内公園(福井市)
- 島田墨仙筆「橋本左内」
しらべる本
- 山口宗之『橋本左内』人物叢書(吉川弘文館、1962年)
- 伴五十嗣郎『啓発録』(講談社、1982年)
- 『橋本左内って知ってるかい?』(福井市立郷土歴史博物館、2007年)
- 『ふくいの先人たち 幕末』これき人物シリーズ3(福井県立こども歴史文化館、2012年)